2002/09/24  Up
ペット火葬場の設置に "待った!!" 神戸市が「設置に関する指導要綱」施行
 住宅地の設置認めず 「異臭」「煙が不快」など解消へ
「住宅附近に、建設はダメ!」
兵庫県神戸市は、犬や猫の死体を火葬する葬儀業者と住民のトラブルが増えていることから、業者の施設建設を規制する「ペット動物火葬施設設置に関する指導要綱」を作成、9月1日から施行した。
「全国でも数少ない施策」(市生活衛生課)で、他の自治体にも波及するとみられる。

「動物愛護」への関心が高まる中、ペットを″家族の一員″のようにかわいがり、死体を荼毘(だび)に付して弔う行事が最近、増加している。
これに伴い、ペットの葬儀業者が堂々と、住宅密集地に火葬施設を建設。
死体廃却による悪臭を漂わせて、住民の反感を呼んでいることから、市が対応に乗り出 していた。

要綱では、建物の内部や屋外に、ペットの死体火葬のための火葬炉(火葬施設)を設置する場合、市長の同意を得なければならないと明記。
市長の同意の基準として、設置しようとする火葬施設の場所から100メートル以内に住居がないか、あっても住民の同意がある場合に限っている。
また、火葬施設の設置・管理者に対しては、周辺住民からの公害苦情の発生がないよう、未然防止を図るための十分な対策を求めている。

これに違反した場合、市長が工事中止の勧告や内容(業者名など)を公表できる。
市生活衛生課は「公表すれば、住民感情が悪くなり、利用者(客)離れなどが起きて、業者のダメージは大きい」と語る。

今同の要綱作成は、1999年に突然、市内の住宅街にペットの葬儀業者が焼却施設を設置し、住民の反感を招いたのがきっかけ。

公明党員の松本和男、律子さん夫婦(党長田支部)が市議会公明党の米田和哲(まさあき)議員に相談し、米田議員は、公明党の赤羽一嘉衆院議員とともに現場を視察。
住民から「異臭がする」 「煙が出て不快」などの苦情を聞いた。

早速、赤羽氏は国へ、米田議員は神戸市へ対応を求めたが、ペットの火葬施設を規制する法律はなかった。
このため、神戸市当局は、保健福祉局、環境局、消防局、住宅局などと協議し、実施可能な指導要綱を作成・施行した。
松本さん夫婦は「要綱ができたことは一歩前進。これからは、火葬業者も、一般的な常識の範囲で対応してくれると思う」と喜んでいた。

−−−「公明新聞」より転載−−−

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