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2023.7.9

‟水素社会”構築へ実証進む 2030年の商用開始めざす 国際輸送に続き荷役に成功F.S

 市議会公明党 ターミナルを視察
 脱炭素社会の構築へ——。
 神戸市議会公明党(高瀬勝也幹事長)はこのほど、同市の神戸空港島にある液化水素荷役実証ターミナル「Hytouch神戸」を訪れ、同ターミナルの脱炭素化に不可欠な“水素”の大量利用をめざした取り組みを視察した。

 同ターミナルは、海外から海上輸送してきた液化水素の受け入れ基地。マイナス253度で液化した水素を貯蔵する国内最大のタンクや、船から液化水素を移送する設備などで構成されている。

 2021年12月、世界初の液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」が神戸を出港し、低品質を理由に利用されていなかった石炭の「褐炭」を原料に製造した液化水素をオーストラリアで積み込み、22年2月に同ターミナルに帰港。褐炭から製造した水素を海上輸送・荷役する実証実験を成功させた。これにより、国際的な液化水素のサプライチェーン(供給網)構築が可能であることが立証され、天然ガスのようにエネルギーとして水素を当たり前に使える社会の実現へ前進した。

 水素は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないほか、長期間の貯蔵が可能。また、太陽光や風力とは異なり、気象の影響も受けない。そのため、脱炭素化を推進する次世代エネルギーの柱として期待されている。方で、製造コストが既存の化石燃料に比べて高いという課題もある。

 同ターミナルを製造した川崎重工業の関係者は「国が計画する2030年の水素の商用化をめざし、課題であるコスト面の改善、事業の拡大などを進めていく」と話していた。

 一行は、水素による熱と電気を近隣の公共施設に供給する実証事業を進める水素発電所も視票。水素スマートシティを掲げる同市の取り組みを踏まえ、高瀬幹事長は、「水素を活用した脱炭素化の実現を後押ししていきたいと述べていた。
--「公明新聞」より転載---

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