医師、検査技師らスタッフ充実へ 公明議員らが視察し担当医と意見交換
震災の後遺症が今も続く 思春期外来も7月開設
「診療科に困っている人はここへ!」
神戸市立中央市民病院は、4月22日から「女性外来」を開設したが、開設から5ヶ月間で、受診者が300人以上に上っていることが、病院側のまとめで明らかになった。
これを受け、市議会公明党議員団は9月25日、女性外来を視察。
現状と課題について、担当の医師と意見を交換した。
市当局は、検査が必要な患者のために女性の医師と検査技師を充実するなど、スタッフ強化の方針を示しており、市民の期待は大きい。
女性外来の窓口は、神戸市中央区のポートアイランドにある市立中央市民病院2階。
毎週火・木の2日間、女性の内科専門医師2人が診療に当たる。
完全予約制で、一人当たりの診療時間は初診30分、再診15分。
受診者は医療保険の適用が可。
診察の結果、必要な場合は、院内の専門の診療科か院外の診療所を紹介。
専門の診療科では、患者が女性の医師を希望すれば、「できるだけ配慮したい」としている。
また、臨床検査技師についても、9月24日の市議会本会議で公明党議員が女性外来の充実を求めた際、市当局は「女性スタッフで対応できるよう、整備を図りたい」と答弁。女性医師と技師の一層の充実を図っていく方針が示された。
この日、視察に訪れたのは、市議会公明党の芦田賀津美、大澤和士、上脇義生、松本修、北川道夫の各議員。女性外来担当の伊藤彰子医師から、診療状況や患者の傾向を聞くとともに、課題について意見を交換した。
同医師によると、1995年の阪神大震災の後遺症(PTSD=心的外傷後ストレス障害)に苦しむ受診者が多く、カウンセリングを兼ねた診療も行うという。そのほか、
@更年期障害に伴う心身症や頻尿、失禁の訴えが多い
A大病の、こう原病が判明
BDV(ドメスティック・バイオレンス)の相談者もあり、連携できる窓口が必要
−−などの実情が述べられ、病気だけでなく、生活上の問題が持ち込まれていることも判明した。
メリットとして「患者の話をじっくりと聞いて診察できる」半面、「専門の診療科に紹介する場合、受診者が日を改めて来院しなければならず、負担が大きい」などの課題も浮かび上がった。
これには、公明党議員が、「患者にアンケート調査を行い、問題点を解決している病院もある。当院でも実施すべきではないか」と主張した。なお、同病院では、女性外来の設置に伴い、性の悩みを抱える若年の男性を対象とした「泌尿器思春期外来」も7月から開設しており、注目されている。
市議会公明党(吉田謙治幹事長)は、02年の第3回定例会で、女性専門外来の開設を本会議、関係委員会で取り上げ、当局の決断を促した。また、女性党員らと署名活動を展開し、今年2月、矢田立郎市長に、早期開設を申し入れてきた。
−−−「公明新聞」より転載−−−
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