障害者、高齢者、不安症など 多様な要望に対応
全身麻酔法(日帰り可)も採用
障害者や要介護の高齢者の歯の治療が充実。
神戸市長田区の「こうべ市歯科センター」は4月にオープンして5カ月が経つが、月を追うごとに患者数が増え、好評を博している。
全身麻酔による治療などハイレベルな医療技術を採用しており、単独の歯科診療所としては「全国にもほとんど例がない優れた施設」 (市保健推進課)で、各地から視察も相次いでいる。
神戸市は、一部の障害者を対象としていた既設の心身障害者歯科診療所を発展的に解消。
身体、知的、精神の各障害者はもとより、要介護や虚弱体質の高齢者、歯科治療に対し異常に過敏な人など、多様なこ−ズにこたえる新たな診療所の設置にこぎつけた。
8月31日、視察に訪れた同市の公明党議員団は、河合峰雄・同センター長、市職員から施設の概要や医療機器、治療方法などについて説明を受けた。
それによると、4月のオープン以来、受診者数は毎月徐々に増え続け、7月までの4カ月間で1234人に達している。
このうち、歯科診療に不安を抱く不安症や恐怖症の患者に処方している全身麻酔法、鎮静法の割合は10.6%(134人)にも上り、大きな効果を挙げているという。
また、全身麻酔法のメリットとして河合センター長は、
@質の高い治療が日帰りでできる
A長い時間の治療が可能になる
B押え付けなど行動抑制をしなくてよい
−−などと強調した。
障害者や高齢者が安心して暮らせる社会の実現については、市議会公明党が毎年の予算要望などで主張。
視察後、吉田謙治幹事長は、「だれもが質の高い歯科診療が受けられることは画期的。口腔衛生の指導の面にもぜひ力を入れてはしい」と語っていた。
なお、施設は市が提供し、社団法人・神戸市歯科医師会が管理・運営を行う。
スタッフは歯科麻酔学会指導医、障害者歯科学会認定医ら高い技術を持った医師4人が当たる。
−−−「公明新聞」より転載−−−
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