コミュニティづくりに一役 地域住民の交流の場
ボランティアが貢献 友人の存在が安心感に
「あの持は大変だったけど、ここに来てよかった」
阪神・淡路大震災から10年が過ぎた23日、神戸市兵庫区の災害復興住宅「市営南逆瀬川住宅」に併設する地域福祉センターで、活気あふれる「ふれあい喫茶」が開かれた。
これには、地域の人とともに、公明党の松田一成県議も参加。震災当時の思い出や現在由在の心境を語り合い、参加者は打ち解けたひと時を過ごした。
毎月恒例の「ふれあい喫茶」は、復興住宅のある南逆瀬川、切戸など4自治会の住民が参加。地域の「南逆瀬川住宅支援ネットワーク」(井上慶一代表)と女性党員らでつくるボランティアグループ「南逆瀬川ふれあいネットワーク」(河原妙子代表)が中心となって運営に当たってきた。
ふれあい喫茶」は、1995年の震災後、コミュミティーが崩壊し、街に住む顔ぶれが一変したのに伴い、新たなコミュニティーづくりの一環としてスタート。
兵庫区内18カ所で定期的に開催されているが、最も活気がある「ふれあい喫茶」の一つとして、同地区は有名だ。
この日、10時の開店には寒空の下、同住宅や近所のお年寄りらが三々五々と来店。入り口には、コーヒー100円、コーヒーセット150円などと書かれたメニュー表が置かれており、参加者は早速、モーニングなどを注文した後、各テーブルを囲んで語らいに熱中。
ある85歳の女性は、同市長田区片山町で被災し、住んでいたアパートが全壊。
近くの高校へ避難後、同市西区の仮設住宅に2年半暮らした。その時の心境は「知らない人ばかりで、早く元のアパートに帰りたかった」。結果として長田区には戻れなかったが、南逆瀬川住宅に入居した今、「『ふれあい喫茶』で、友達にも恵まれ、本当によかった」としみじみ語った。
兵庫区本町で独り暮らしをしていた女性(84)は勤務中に被災し、運よく一命を取りとめた。急いで帰ると、「住んでいた文化住宅はペしゃんこ」。3カ月間は極寒の中でテント暮らしをし、97年秋、ようやく南逆瀬川住宅に入居。「知り合いがいる街に戻れて安心」と、知人・友人の存在が安心感につながることを強調した。
党員らとともに、復興住宅のコミュニティーづくりに奔走してきた松田議員は、こうした数々の体験に耳を傾け、「これからも頑張ってや」と、一人ひとりを激励した。
ボランティアグループ代表の河原さんらは、地域の人と協力し、「ふれあい喫茶」の開設に尽力。「喫茶が始まる1時間前から準備し終了後は反省会を必ず開いた」というほど、一回一回を真剣に取り組んできた。
切戸自治会の岡本薫会長は、「人が集まらないと触れ合いの効果が上がらない。ここは民生委員やボランティアの人たちが盛り上げてきた」と、地域の力の結集が成功のカギであると示唆した。
「『ふれあい喫茶』に出てこれない人にも、何とか支援の手を差し伸べたい」−。河原さんらは、一層の触れ合い促進を模索中だ。
−−−「公明新聞」より転載−−−
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