安心、分かりやすく 優良建築士、工務店が相談に 神戸市
悪質なリフォーム詐欺が多発する中、市民が安心して住宅の耐震化を進められるように、神戸市は1日から、市自体が連絡窓口役となり、建築士団体と工務店団体が連携した「神戸市すまいの耐震ネットワーク」を創設した。
「耐震診断から工事まで行政が窓口となって、身近な市内の優良な建築士・工務店団体とネットワークを作って減災に取り組むのは、全国で初めての試み」 (市住宅政策課)だけに、注目を集めている。
神戸市住宅政策課によると、2001年度から04年度までに、市内で二戸建て住宅の耐震診断(1981年5月末以前に建築確認をとった住宅が対象)を受けたのは1042戸。そのうち「やや危険」と診断されたのが330戸、「倒壊または大破壊の危険」と診断されたのが440戸に上った。しかし、診断後、実際に改修工事を行った家は、2割程度だという。
これは、耐震診断を受けて「倒壊の恐れがある」と指摘されても、資金の問題や「一見しただけでは大丈夫そうなので効果が実感しにくい」とか「改修したくてもどこに相談すればいいか分からない」といった理由で、具体的な耐震工事にまで踏み切らないケースが多いためだという。
そこで市は、市民が安心して相談できる窓口体制を整備。
市の耐震診断を受けた市民が耐震改修工事を待望する場合、すまいの診断ネットワークに所属する建築士と工務店が協力して相談に乗り、具体的な改修費用の見積もりから耐震改修の計画づくり、改修工事の施工までを行うシステムを作った。
また、市は、阪神・淡路大震災で家具の転倒などによって、多くの尊い人命が失われた教訓から、「家具固定あんしんホットライン」も開設。
家具の転倒防止について相談に乗るほか、高齢者など自分で家具の囲定ができない家庭を対象に、すまいの耐震ネットワークに所属する工務店のプロが家庭を訪問し、家具の固定を行う事業も始めた。
住宅の耐震対策については、市議会公明党が一貫して推進。
02年11月の市議会住水消防委員会では、芦田賀津美議員が住宅の耐震化促進を迫り、耐震診断事業の実効性を高める観点から、「市民が補修や建て替えをする場合、さまざまなコーディネートの努力をすべきだ」と訴えていた。
−−−「公明新聞」より転載−−−
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