後期検診1回分を公費負担 1万5000円を上限に7月スタート
「所得制限なし」の市も
兵庫県は、少子化へ歯止めをかけるため、公費負担による「妊婦健康診査費補助事業」を県単独で7月からスタートさせた。各市町でばらつきがある妊婦健診を一定レベルに引き上げるため、後期健診1回を県費で実施する。1回分の公費負担は、「都道府県では初」(県保健指導係)という。実施に当たっては、県議会公明党と党県女性局が強く推進してきた。
対象は、県内に住む妊娠中か、7月以降に母子健康手帳の交付を受ける人。県が公費負担する健診は、妊娠22週以降の後期1回とし、助成する額は一人当たり1万5000円が上限。
県は今年度の健診者数を約3万4000人と見込み、当初予算で5億3000万円を計上。児童手当に準拠した所得制限(夫婦2人で570万円)を設けたが、実施主体の市町が独自で所得制限を撤廃するところも。
各市町のうち、生活保護世帯、市民税非課税世帯の妊婦のみを対象に、市費で前期、後期の各1回健診を行ってきた西宮市は、7月からは、生活保護・非課税世帯の前期健診1回に加え、児童手当並みの所得制限のもと、県費による後期健診1回を導入。この結果、市内の妊婦の約9割が公費健診の対象となった。
西宮市に住む妊娠中の森脇雅代さんは、「うれしいです。実際に受診券(同市は対象者に受診券を配布)を使用したら、ありがたいという実感がわくと思う」と喜びを語る。
同じ西宮市に住み、妊娠中のお嫁さんがいる大西冨美子さんは、「若い人にとっては、健診費用の助成は助かる。特に、後期は妊娠中毒症などの病気が出てくる可能性も高いので、助成の回数を増やしてもらいたい」と、今回の施策を評価するとともに、一層の拡充を求めていた。
一方、神戸市はこれまで、市独自の公費健診1回(所得制限なし)を実施してきたが、7月から県費による後期健診1回を追加。その際、市議会公明党の提案を受け、後期健診も所得制限を撤廃。この結果、全妊婦が公費で2回、健診を受けられるようになった。
県の妊婦健診料の公費助成制度創設については県議会公明党の松田一成、大野由紀雄議員らが2005年11、12月の議会でそれぞれ主張したほか、兵庫県女性局(芦田賀津美局長=神戸市議)が、山本かなえ参院議員の応援を得て、県下で41万人を超える署名運動を展開。今年2月6日に井戸敏三知事に申し入れを行い、実現にこぎ着けた。
−−−「公明NET」より転載−−−
|