身体的負担を軽減へ
公明党神戸市議会(大澤和士幹事長)はこのほど、先進的ながん治療の現状を探るため、4月に開院した神戸低侵襲がん医療センターを視察、関係者らから意見を聞いた。
「低侵襲」とは医学用語で、手術や治療に伴う痛みや傷口をできる限り少なくすること。
従来、国内のがん治療の場合、患者にメスを入れて治療する外科的手術が主流。
しかし、同センターは「小さく見つけてやさしく治す」をテーマに、外科的手術を一切行わず、欧米で主流となっている放射線治療に、化学療法などを組み合わせた治療を特化して行っている。
このため、治療による身体的負担も軽くなり、入院期間の短縮や日常生活への早期復帰が可能とされる。こうした治療方法を取る病院は全国でも珍しいという。
党視察団を案内した藤井正彦同センター病院長は、全国から低侵襲がん医療の専門家が結集していることを紹介。
また、年間800〜900人の新規患者を受け入れるために、スタッフの増員を進めていると強調。その上で、放射線治療を行うために必要な資格である医学物理士が国家資格でないことを説明し、「外科の医師に比べ、医学物理士が極めて少なく、放射線科や腫瘍内科の専門医も足りない。こうした人材を増やしサポートする体制を整えなければ、日本におけるがん医療が後退してしまう」と訴えた。
大澤幹事長は「神戸の街が、医療産業都市としてさらに発展できるよう、支援の方法を探っていきたい」と話した。
−−「公明新聞」より転載−−−
|