通訳者の確保推進学校での理解も促す
耳が不自由な人が暮らしやすい社会の実現をめざし、神戸市議会は「神戸市みんなの手話言語条例」を全会一致で可決し、4月から施行され話題を呼んでいる。この条例は、市議会公明党(北川道夫幹事長)が主導し、議員提案により制定されたもので、政令市としては全国初という。
条例は、前文と九つの条文で構成。前文には市がめざす目標として「手話への理解の促進に努め、手話を日常的に使用できる環境を整えることにより、ろう者もろう者以外の者も互いに心と心が触れ合い、通じ合うまち」を提示している。条文では、手話により情報を取得する機会の増加や、手話通訳者確保を促す施策の計画的な推進を明記。また、学校教育の現場において、手話への理解を促進するよう定めている。
さらに、毎年度、市長が手話に関する施策の状況を議会に報告することを義務付けた。
条例制定を受け、市は6月19日から定例会本会議のインターネット中継に手話通訳を導入。また、今秋をめどに、市立小学校全164校に対し、同条例の意義についての解説や、日常のあいさつなど簡単な手話の紹介を盛り込んだリーフレットを配布する予定。
市議会公明党の紹介で神戸市を訪れた一般財団法人・全日本ろうあ連盟の久松三二(みつじ)事務局長は「見た目では分かりにくいのが聴覚障がい者だ。条例が制定され、市民の理解を促進する施策が前に進んでいくことが、本当にうれしい」と語っていた。
市議会公明党では、向井道尋市議が2014年3月に行われた定例会本会議で、手話言語条例の制定を主張。その後、市議会公明党は条例案のたたき台を発表。他会派の市議や特定非営利活動法人(NPO法人)・神戸ろうあ協会の鈴木奈麻美会長など聴覚障がい者の代表らに、検討会への参加を呼び掛け、条例の文言を協議してきた。
−−「公明新聞」より転載−−−
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