■ トピックス
2020/07/23 
店舗の家賃、大幅減額へ支援策 神戸市 F.S 


 神戸市は、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている中小企業・小規模事業者・個人事業主が営む市内店舗の家賃負担を軽減するため、家賃を減額した家主に対し補助金を交付する取り組みを実施。6月30日の申込期限までに約3800件の申請が寄せられるなど、関係者に喜ばれている。

 同制度は4月、5月分の家賃を半額以上減額した家主が申請対象で、1オーナーにつき200万円を上限に減額分の8割を市が補助する。例えば、月100万円の家賃で、家主が借主に対し4月と5月の家賃を半額にした場合、市は減額した2カ月分の8割である計80万円を家主に支給する。また、4、5月の家賃支払いが済んでいる場合、家主と借主の合意があれば6月以降の家賃で調整することもできる。

 現在のコロナ禍においては中小企業・個人事業主が営業の休止を余儀なくされたり、営業を再開したとしても売り上げが戻らなかったりする場合がある。その中で家賃の継続的な支払いが経営を圧迫していることから、市が支援策を講じた形だ。また、7月からは収入が急減した中小企業・個人事業主に対し、国が直接支払う「家賃支援給付金」の申請も始まった。

 市経済政策課の担当者は、市独自の店舗家賃負担軽減補助制度について、借主のテナント側が経営不振で撤退すれば家主側も大幅な収入減になるとした上で「家主とテナント、市の三者で負担を分けることで、現状の厳しい状況を共に乗り越えていきたい」と語っていた。

 神戸市中央区内でスナックを経営する鶴目真代さんは「4月、5月とほとんど営業ができない状態だった。今回、家主が補助制度を活用し、家賃を大幅に減額してくれて本当に助かりました」と喜びを述べた。

■公明が推進
 市議会公明党(吉田謙治団長)は今年4月、新型コロナウイルスに関する緊急提言の中で久元喜造市長に対し、テナント賃貸料の支払い猶予、減免の措置を検討するよう強く要請していた。

−−「公明新聞」より転載−−−