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2004/10/12 
平成16年度「第3回定例市会」・・・<公営企業会計決算>代表質問:要旨2004.09.21 k.o 


平成16年度「第3回定例市会」

公営企業会計決算/
市民生活の安定とサービスの向上を!

 神戸市会、平成16年度「第3回定例市会」が9月14日から10月7日までの24日間の日程で開かれ、平成15年度公営企業会計決算並びに関連議案を審議。公明党市会議員団は9月21日本会議で壬生潤議員(垂水区選出)が代表質問を行い、引き続き決算特別委員会の審査を経て、要望3件を付し原案を認定及び承認しました。

【代表質問】要旨
 平成15年度公営企業会計決算は、一般会計の深刻な財政状況による負担割合の見直しや、景気低迷の長期化等の影響を受け、8事業会計のうち新都市整備事業・病院事業・工業用水道事業および水道事業を除く4会計で赤字を計上し、企業会計全体で当年度純損失は92億円で、累積欠損金は2,208億円と引き続き厳しい決算となっています。昨今、一部に景気回復の兆しが見られるものの、公営企業を取り巻く環境はまだまだ厳しく、今後の更なる経営改善が求められているとの見解を示し質疑に入りました。

<質問と答え>
1、都市活力の向上について
厳しい経営状況下においては、各会計における経営改善の取り組みだけではなく、都市活力の向上を目指し、市トータルの観点に立って各局や各企業会計相互の連携を図り、個々の施策が相乗効果をもたらすような取り組みが必要であると考えるがどうか。

(答え)都市活力の向上は重要な課題の1つであり、企業誘致の全庁横断的な取り組み、観光監の設置、また、インナー地域活性化を積極的に進めるために、市街地活性化プロジェクトチームをつくって個々の施策が相乗効果をもたらすよう取り組んでいる。今後も震災10年の発信事業、新港地域の親水ゾーン、また神戸空港関連の事業への取り組みなどで、ウオーターフロントを含む都市活性化を進めていきたい。さらなる各局の連携で、トータルの視点で総力を結集して相乗効果を発揮するよう進めていきたい。

2、下水道事業会計について
赤字は減少しているものの10年連続の赤字決算であり事務事業の見直しが必要である。今までも業務の部分的民間委託を行ってきているが、処理場全体の包括的民間委託など、思い切った経営改善が必要と考えるがどうか。

(答え)これまで部分的に委託している業務についても、対象範囲を拡大できないか検討を行っている。行政経営方針に示された行政と民間の適切な役割分担を図り、積極的に民間活力を導入する手法の検討を進めたい。

3、港湾事業会計について
(1)神戸港を取り巻く状況が大きくかつ急速に変化する中で抜本的な改革が求められているが、予算という単年度の数値目標に止まらず、中長期的な収支改善目標が必要であると考えるがどうか。

(答え)累積欠損金の410億円は震災による影響が大きく、さらに港湾関連用地等の賃貸料や埠頭用地・上屋の使用料の数次にわたる減免改定などが大きく影響している。収支圧迫の一要因にもなっている災害復旧関連の支払利息、減価償却がピークを迎える中で、より一層のポートセールスの推進に努め、さらに資産の活用あるいは処分で、早い時期に累積欠損の解消を図りたい。

(2)平成9年から6年間、港湾施設使用料の低減や各種の規制緩和などを講じてきたが、その効果の検証と、それを踏まえた今後の取り組みを明らかにするべきであると考えるがどうか。

(答え)規制緩和と新たな企業誘致方策の導入により平成9年度以降の企業進出が118社に上り、うち54社が規制緩和による進出となっている。港勢については、外貿コンテナ貨物量はほぼ前年横ばいだが、中国貨物が23%強増加しており、さらに積極的に中国貨物の誘致に取り組みながら、港頭地域に進出している自動車あるいは建機等の貨物を増やせるよう企業誘致に取り組んでいきたい。

(3)平成14年度には港湾物流情報プラットホーム事業の実証実験が行われ、リードタイムが10時間以上短縮する効果があったと聞いたが、今後の取り組みは。特にCSI(コンテナ・セキュリティー・イニシアチブ)への対応など情報システムの装備が安全で使いやすい港の条件となりつつある中で、経営改善という観点からどのような方針で進めて行くのか伺いたい。

(答え)今年度中の稼動をめざし、国土交通省と神戸港を含む主要8港でJCL−net(ジャパン・コンテナ・ロジスティックス・ネットワーク)の共同開発を行っており、NIROを中心とした電子タグや電子シールの実験など、港湾物流の効率と安全を同時に実現する情報化を港湾経営の中心テーマに据えて、今後も先駆的な取り組みを続けていきたい。

(4)PC1から5のコンテナバースなどの資産の売却や港湾施設の都市機能用地への転活用によって、今後どの程度累積欠損金が解消し、経営状況が改善されるのか伺いたい。

(答え)借地権を相殺して売却する方式を採用し、15年度決算では約10億円の港湾用地売却益があった。さらに売却可能な土地の洗い出しを進めているが、土地以外でも給水船や休止中のクレーンの売却、また神戸船員会館、摩耶船員サービスセンターなどの福利厚生施設の集約・統合化による売却を考えており、あらゆる手段で経営収支と累積欠損の改善に結びつけていきたい。

4、中央市民病院の移転について
(1)移転新築の必要性の要因である老朽化は実際どの程度進んでいるのか。また先端医療センターとの連携による市民の健康生活への具体的な貢献について

(答え)設備の老朽化は深刻で、特に配管の寿命が少なく、診療を続けながらの更新は不可能と考えている。電気設備も補修部品の調達が困難で、修繕・改良工事に毎年数億円の補修費がかかっている。 先端医療センターとの連携は、PETによる初期の癌の発見やCTライナックのピンポイント照射の治療などをはじめ、血管再生療法や歯槽骨の再生療法など、従来の方法では治せなかった最先端の医療を導入実施していきたい。

(2)病院の新築にあたって、現市民病院跡地や看護短大の資産活用など、PFIの整備手法についての基本的な見解を伺いたい。

(答え)
新病院の整備手法は、市が資金調達して整備を行う起債方式と、民間事業者が資金調達して整備と運用の一部を行うPFI方式がある。PFI方式は民間のノウハウが発揮しやすく公共部門で整備・運営を行うより財政負担の軽減、サービス水準の向上が期待できる。新病院の整備や現施設の有効利用については、できるだけ民間ノウハウを活用し財政負担の軽減に努めたい。

5、自動車事業会計について
(1)路線の再編による乗客増や収入増への効果と今後の対応について。

(答え)運行の効率化と嘱託化の推進等で約19億円の費用節約効果があり、ランニングコストとして毎年ほぼ同額の効果が継続している。灘区の地域密着型のバス3路線の新設など、地域のニーズにあった経路の見直しや増便を行い収入増の効果があった。市バス全体の乗客数が減少する中で、バス・バスの乗り継ぎは逆に増加しており、バス・地下鉄など鉄道との公共交通ネットワークの維持・向上を図り、今後とも市民の足の確保という大きな役割を果たしていきたい。

(2)経営改善によるバス事業のスリム化の中で、市民の足をどのように守って行くのか。

(答え)全体の乗客数は減っているが高齢者の昼間の利用が増加しており、市バスへの期待は高まっている。今後もきめ細かなダイヤ編成やノンステップバス、地域密着バスなどの運行に努めていきたい。