トピックス

2024.6.6

六甲山系の森に囲まれた「自然の家」がリニューアル 一般客の受け入れを開始 神戸市F.S

キャンプや宿泊施設を改修/休憩所兼ねたカフェも新設
 誰でも利用できる遊び場へー。神戸市は4月、市内の小中学生の野外活動拠点として活用されてきた、市立「自然の家」をリニューアルオープンさせた。従来のキャンプエリアや宿泊施設を改修し、気軽に利用できる休憩所を兼ねたカフェも新設。従来の学校・団体利用に加え、新たに一般利用客の受け入れを始めた。
 国立公園である六甲山系の森に囲まれた「自然の家」は、1973年に設置された。駐車場やグラウンド、アスレチックコース、炊事場、山林部などを含め、約23万平方メートルという広大な面積を誇る。  キャンプエリアは、ファミリー向けのフリーサイトのほか、電源設備・駐車スペースを備え車を横付けできるオートサイトなど、多様な区画を増設。初心者から愛好家のリピーターまで、幅広い利用者に野外体験を提供している。担当者によると、近年のキャンプ需要が高まっていることから、設備の充実に力を入れたという。
小中学生の林間学校で親しまれてきた宿泊施設では、多目的トイレや、分かりやすい案内イラストなど、誰もが使いやすいユニバーサルデザインを施した。また階段に車いす用の昇降機を設置し、バリアフリーに配慮した改修も実施。家族連れやバックパッカーなど、さまざまな一般利用客を受け入れることが目的だ。
 新設したカフェの名前は「シェールミエール」。とんがり帽子のような屋根が特徴で、カフェの前にある穂高湖や、シェール槍という標高643メートルの小さな鋭峰を眺めながら食事を楽しむことができる。穂高湖では、カヌーや手こぎボートなどを体験できる。
 今回のリニューアルの背景には、利用者数の減少や経年劣化に伴う施設の老朽化があった。さらには市立中学校の利用が4~6月の平日に集中しており、団体利用も大半が夏休み期間に集中していた。
 こうした中、神戸市は施設の有効活用を探ろうと、2022年4月に自然の家に関するアンケートを市ホームページ上で実施。「団体の利用者だけでなく、家族で安全に楽しめる施設にしてほしい」など改善を求める声が寄せられた。市は改善ポイントを協議し、昨年9月から本格工事を進めていた。

1カ月超で3000人利用
 リニューアルオープンからゴールデンウイークまでの来場者数は、約3000人に上る。施設の担当者は「小中学生の頃に利用していた人が来場し、懐かしさを感じながら楽しんでいた。これからも喜んでもらえる施設運営をめざしたい」と話す。
 整備を推進してきた市議会公明党議員団(高瀬勝也幹事長)は、老朽化設備の改善や利用者の増加を図るため、議会質問や予算要望を通じて施設の魅力向上への取り組みを繰り返し訴えていた。
--「公明新聞」より転載---

« 戻る